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公式サンプル問題 完全解説 — 試行試験・令和6年・令和7年の傾向と本サイト作成練習問題(第3回試験予想つき)

文部科学省が公開する日本語教員試験の公式サンプル問題(試行試験・令和6年・令和7年)の傾向を整理。問題形式・出題範囲・難易度の変化を分析し、第3回(2026年11月)に向けた本サイト作成の総合練習問題を多数掲載。

対象: 受験予定者 · 養成課程在籍者 · 取得予定者

この記事は、2026年5月時点で文部科学省・文化庁が公開している情報をもとに、試験対策用に整理したものです。最新情報は必ず公式資料で確認してください。公式サンプル問題そのものの転載は行っていません。本サイトで作成した類題は「練習問題(本サイト作成)」と明記しています。


この記事の対象と特長

文部科学省は 試行試験(令和5年度)・第1回(令和6年度)・第2回(令和7年度) に合わせて、それぞれサンプル問題を公開しています。これらは試験の出題形式・難易度・範囲を把握する上で最も重要な資料です。

この記事では、公式サンプル問題から確認できる 問題形式の特徴・難易度傾向 を分析し、第3回(2026年11月8日(日)予定)に備えた 本サイト作成の総合練習問題 をまとめます。

この記事のユニークな価値

要素 内容
公式資料の所在 文部科学省で公開されているサンプル問題の入手元を整理
形式分析 問題形式・選択肢の傾向
難易度の推移 試行試験 → 第1回 → 第2回 の難易度変化
総合練習問題 5区分から本サイト作成の練習問題を多数出題
解説の深さ 単なる正解だけでなく「なぜ間違うか」も明示

1. 公式サンプル問題はどこで手に入るか

試験 実施日 サンプル問題公開元
試行試験 令和5年度 文化庁・文化審議会 国語分科会 日本語教育小委員会 資料
第1回 令和6年11月17日 文部科学省「日本語教員試験」公式ページ
第2回 令和7年11月2日 文部科学省「日本語教員試験」公式ページ
第3回 令和8年11月8日(予定) 文部科学省「日本語教員試験」公式ページ(公開予定)

第3回試験案内は通常、6月頃に文部科学省から公開されます。サンプル問題も同時期に確認可能になる見込み。


2. 公式サンプル問題から確認できる問題形式

2.1 基礎試験の問題形式

▼ 基礎試験 問題形式の特徴
項目 特徴
問題数100問・100点
設問形式4択(マークシート)
出題範囲必須50項目から区分ごとに出題
設問の典型「○○について、適切なものを選べ」「組み合わせとして適切なものは」
「誤りを選ぶ」型「適切でないものを選べ」型もあり、慎重な読解が必要

2.2 応用試験の問題形式

▼ 応用試験 問題形式の特徴
項目 特徴
問題数110問・110点
問題タイプ読解問題群+聴解問題群
読解学習者・場面の長文+4〜6問の連続設問
聴解音声は1回のみ。発音・教師の発話・授業観察の3型
区分横断領域ごとの出題割合は示されていない

3. 試行試験 → 第1回 → 第2回 の難易度推移

試行試験(令和5年度)
基本となる問題形式の確立。比較的標準的なレベル。
第1回(令和6年度)
試行試験よりやや難化。用語の単純暗記では太刀打ちしにくい設問が増加。コミュニケーション能力・参照枠・著作権・ICTなど現代的トピックが多め。
第2回(令和7年度)
基礎試験は本来の趣旨に沿ったオーソドックスな出題に。応用試験は難化傾向。トランスランゲージング・スキル習得論・α係数など最新領域からの出題。
第3回(令和8年度予定)
育成就労制度施行直前。制度系の出題増、複言語主義系の継続出題が予想される。

4. 公式サンプル問題から学ぶ「選択肢の作り方」

公式サンプル問題を見ると、選択肢にはいくつかの典型パターンがあります。これを知っておくと、消去法を有効に使えます。

▼ 不正解選択肢の典型パターン
①完全に無関係
問われている領域とまったく関係ない概念。基礎ができていれば消せる。
②近接概念(紛らわしい)
同じ領域の別の概念。たとえばダイグロシア vs バイリンガリズム。違いを理解しているかが問われる
③部分的に正しい・部分的に誤り
前半は正しいが後半が誤り、など。最後まで読まないと判断できない。
④研究者と理論の組み合わせミス
提唱者を入れ替える。例:「ZPDをウッドが提唱」(ZPDはヴィゴツキー、ウッドはスキャフォールディング)

5. 総合練習問題(5区分横断・本サイト作成)

ここから先は本サイトが学習用に独自作成した練習問題です。公式問題ではありません。各問の解説では、選択肢の落とし穴も含めて説明します。

5.1 社会・文化・地域からの問題

問1:日本語教育推進法(2019年)と日本語教育機関認定法(2024年4月施行)の関係について、適切なものを選んでください。

  1. 認定法は推進法を廃止して新たに制定された
  2. 推進法は理念を、認定法は機関と教員の質を規定する
  3. 両者とも法務省が所管している
  4. 推進法は2024年に改正され、認定法と統合された

正解:2

解説:1は誤り(推進法は引き続き有効、両法は併存)。3は誤り(文部科学省・文化庁が所管)。4は誤り(統合されていない)。役割分担を理解できているかを問う良問。


問2:JFスタンダードに関する記述として、適切なものを選んでください。

  1. 文化庁が2010年に策定した日本語教員養成の指針である
  2. 国際交流基金がCEFRを参考に開発した日本語教育の枠組み
  3. アメリカの大学が共同で策定した日本語学習者の評価枠組みである
  4. 文部科学省が認定機関に義務付けるカリキュラムである

正解:2

解説:1は誤り(策定者は国際交流基金、対象は教員養成ではなく学習者)。3は誤り(地理的にも策定者も違う)。4は誤り。「JF=Japan Foundation=国際交流基金」が結びついていれば消去可能。


5.2 言語と社会からの問題

問3:トランスランゲージング(translanguaging)に関する記述として、もっとも適切なものを選んでください。

  1. バイリンガル話者が状況に応じて2言語を切り替える従来のコードスイッチング概念と同義である
  2. 1社会で2変種が機能分担して併存する社会言語学的現象である
  3. バイリンガル話者の言語使用を、独立した2言語の切替ではなく、統合された言語レパートリーから動的に引き出される実践として捉える
  4. CEFRが提示した、社会レベルでの言語多様性の理念である

正解:3

解説:1は誤り(コードスイッチングとは異なり、より統合的な見方)。2はダイグロシアの説明。4は多言語主義の説明(社会レベル)。第2回で出題された概念。


問4:文化審議会2007年答申「敬語の指針」の5分類に関して、誤っているものを選んでください。

  1. 「いらっしゃる」は尊敬語に分類される
  2. 「申し上げる」は謙譲語Ⅰに分類される
  3. 「参ります」は丁寧語に分類される
  4. 「お酒」は美化語に分類される

正解:3

解説:「参ります」は謙譲語Ⅱ(丁重語)。聞き手に丁重に話す表現で、向かう先を高める謙譲語Ⅰとは区別される。


5.3 言語と心理からの問題

問5:以下の理論と提唱者の組み合わせとして、誤っているものを選んでください。

  1. インプット仮説 — クラッシェン
  2. インターアクション仮説 — ロング
  3. ZPD(最近接発達領域) — ヴィゴツキー
  4. 中間言語 — シュミット

正解:4

解説:中間言語(interlanguage, 1972)はセリンカー。シュミットは Noticing Hypothesis(気づき仮説、1990)。混同しやすいので注意。


問6:BICS とCALP に関する記述として、適切なものを選んでください。

  1. BICSは認知的・学術的言語能力で、習得に5〜7年を要する
  2. CALPは生活言語能力で、習得は概ね2年程度
  3. BICSは生活言語能力で、CALPに比べて短期間で習得される
  4. BICSとCALPは同じ能力の異なる呼び方である

正解:3

解説:1と2は説明が逆。4は誤り(区別される異なる概念)。BICS=Basic Interpersonal Communication Skills(生活)、CALP=Cognitive Academic Language Proficiency(学習言語)。


5.4 言語と教育からの問題

問7:訂正フィードバックに関する記述として、Lyster & Ranta(1997)の分類で、もっとも適切な組み合わせを選んでください。

学習者「先生、昨日駅に行きまして」
教師「ああ、駅に行ったんですね」

  1. 明示的訂正
  2. リキャスト
  3. メタ言語的フィードバック
  4. 引き出し(elicitation)

正解:2

解説:教師が誤りを直接指摘せず、正しい形を埋め込んで言い換えている。これがリキャスト。1は誤りを直接指摘、3は文法ルールを説明、4は学習者に正しい形を引き出させる。


問8:ジグソー法(Jigsaw method)に関する記述として、適切なものを選んでください。

  1. ヴィゴツキーが提唱した協同学習の手法である
  2. アロンソンが米国の人種統合学校で開発した協同学習法
  3. 教師が学習者に1対1で指導する方法
  4. 文法シラバスに基づくドリル中心の教授法

正解:2

解説:1は誤り(提唱者はアロンソン、1971)。3・4は協同学習ではない。第2回で出題された重要概念。


5.5 言語からの問題

問9:日本語のアクセントに関する記述として、適切なものを選んでください。

  1. 東京式アクセントでは、第1拍と第2拍は必ず異なる高さである
  2. 京阪式アクセントは東京式より新しい体系である
  3. 一型アクセントの方言(鹿児島など)は、ピッチパターンが1種類しかない
  4. 平板型アクセントは、語頭のみ高く、それ以降は下がる

正解:1

解説:1は東京式の重要規則(第1拍と第2拍は必ず違う高さ)。2は誤り(京阪式の方が古いとされる)。3は誤り(一型でも語によりパターンは異なる)。4は頭高型の説明(平板型は2拍目から平坦に高い)。


問10:「校正」と「構成」のような同音異義語の存在は、日本語のどの特徴と関連が深いか?

  1. 膠着語的性質
  2. 漢字の音読み多用と母音体系の単純さ
  3. 主語省略
  4. 対称性原理

正解:2

解説:日本語は5母音と少ない子音体系で、漢字の音読みが多く、結果として同音異義語が多い。1は文法的特徴で同音異義の理由ではない。3・4は同音異義語と直接関係しない。


6. 第3回(令和8年度=2026年11月8日(日)予定)予想問題(応用試験読解形式)

練習問題(本サイト作成)。公式問題ではありません。

設問場面

Aさんはベトナム出身、来日2年目の特定技能1号で介護現場に勤務する学習者である。職場では先輩や利用者との日常会話には困らないが、業務報告書の記述や研修会での発表で困難を感じている。Aさんは「話すのは大丈夫なのに、書く・発表するは苦しい」と教員Bさんに相談した。


問11:Aさんの困難を理論的に説明する概念として、もっとも適切なものを選んでください。

  1. ピジン化
  2. BICS と CALP の発達段階差
  3. ダブル・リミテッド
  4. 中間言語の化石化

正解:2

解説:日常会話(BICS)は2年程度で習得できるが、学術的・専門的言語(CALP)は5〜7年かかる。Aさんはこの典型的なギャップを経験している。1は接触言語の発生現象、3は両言語ともに未発達な状態(年少者に多い)、4は学習が停滞して特定の誤用が固定化する現象でAさんの状況とは異なる。


問12:教員Bさんが取るべき指導方針として、もっとも適切なものを選んでください。

  1. BICSが先に発達したのだから、CALPは自然に身につくと伝え、特別な指導はしない
  2. 業務文書のジャンル分析を行い、ジャンルに応じたスキャフォールディングを提供する
  3. 文法訳読法に立ち返り、母語に翻訳しながら学ぶ方針に切り替える
  4. 当面は会話のみに専念させ、書く・発表するは中断する

正解:2

解説:CALPは意図的・体系的な指導が必要で、ジャンルに応じた支援(業務報告書の構造、研修発表の型)が有効。1は放任。3は時代遅れの方針。4は問題回避にすぎず学習者のニーズに応えていない。


7. 確認問題(一問一答10問・総合)

練習問題(本サイト作成)。公式問題ではありません。

Q1. 日本語教員試験の基礎試験の問題数と総点は?
A1. 100問・100点

Q2. 応用試験の問題数と総点は?
A2. 110問・110点

Q3. 第2回試験から応用試験の出題順はどう変わったか?
A3. 聴解→読解 から 読解→聴解 へ

Q4. 必須50項目は何分野・何区分から構成されるか?
A4. 3領域(社会・文化/教育/言語)の5区分

Q5. 第1回試験で出題された応用読解の用語の例を1つ挙げよ。
A5. クラッシェンの学習ストラテジー(口腔断面図・アクセント等も)

Q6. 第2回で出題された現代用語を3つ挙げよ。
A6. トランスランゲージング、言語レパートリー、スキャフォールディング、ジグソー法、クロンバックα係数、スキル習得論、タスク補助の言語指導 のいずれか3つ

Q7. 第3回試験の予定実施日は?
A7. 令和8年(2026年)11月8日(予定)

Q8. 公式サンプル問題はどこで入手できるか?
A8. 文部科学省「日本語教員試験」公式ページ/文化庁・文化審議会の関連資料

Q9. 育成就労制度の施行予定はいつか?
A9. 2027年4月(予定)

Q10. 試験で「適切でないものを選べ」型問題に注意すべき理由は?
A10. 「適切なもの」と読み違えると、ほぼ確実に誤答するため。設問文を必ず最後まで読む


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本記事は2026年5月時点の情報に基づいて作成しています。試験前には必ず最新の公式資料を確認してください。

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