結論:告示校の経営者が押さえておきたい点
- 期限までに必要なのは「認定」です: 出入国在留管理庁は、法務省告示機関(告示校)は令和11年(2029年)3月31日までに文部科学大臣による認定を受ける必要があるとしています。申請中であることだけでは足りません。
- 最後の申請回は「令和10年度1回目」: 文部科学省は、令和11年4月開設の課程から引き続き留学生を受け入れる場合は、令和10年度1回目までに認定申請を行い、認定を受ける必要があるとしています。令和10年度2回目で認定を受けた場合は、令和11年4月からの受け入れは困難とされています(令和11年10月開設時は既存の定員数を引き継げるとされています)。
- 認定の審査は年2回、申請から認定まで約5〜6か月: 文部科学省の目安では、1回目は5月下旬頃の申請締切→10月頃認定、2回目は10月下旬頃の締切→4月頃認定です。これまでの認定日は、2024年10月30日、2025年3月31日、2025年10月31日、2026年4月30日でした。
- 日程が公表されている回は2回分まで: 2026年9月25日時点で文部科学省が日程を公表しているのは「令和8年度2回目」(申請 2026年11月16日〜20日。事前相談の受付は8月21日で終了)と「令和9年度1回目」(事前相談受付 2027年2月下旬、申請 5月下旬)です。令和9年度2回目以降の日程は未公表です。
- 残りの申請回(推定): 年2回の審査が続くとすれば、令和10年度1回目までに残る申請回は、令和8年度2回目の事前相談を申し込んでいない機関では令和9年度1回目・令和9年度2回目・令和10年度1回目の3回です(令和8年度2回目の事前相談を申し込んだ機関は、それを含めて4回)。この回数は文部科学省が明示したものではなく、公表資料からの当サイトの推定です。
- 「不可」になると直後の回には申請できません: 文部科学省は、認定が「不可」とされた場合、直後の回には申請できず、次々回以降の準備になるとしています。
免責事項(§15.3 Cパターン): 本記事は2026年9月25日時点で文部科学省・出入国在留管理庁が公表している資料と法令をもとにした整理であり、認定取得の可否を保証するものではありません。最終的な認定の可否は文部科学省の審査によります。令和9年度2回目以降の申請日程は、文部科学省の発表で確認してください。
1. 2029年3月31日の期限とは
告示校:期限までに認定を受ける必要がある
2024年4月1日に日本語教育機関認定法(日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律)が施行され、文部科学大臣が日本語教育機関を認定する制度が始まりました(法第2条、附則第1条)。
在留資格「留学」で日本語教育を受ける生徒の受け入れ先は、上陸基準省令(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令)の「留学」の項で、告示日本語教育機関(告示校)または認定日本語教育機関(留学のための課程) とされています。
告示校の扱いについて、公的機関は次のように説明しています。
| 公表元 | 内容 |
|---|---|
| 出入国在留管理庁 | 現行の法務省告示をもって定められた日本語教育機関は、令和11年3月31日までに文部科学大臣による認定を受ける必要がある |
| 文部科学省(よくある質問集 Q2-9-2) | 法施行後5年間は、告示校も留学生を受け入れられるよう経過措置が設けられている。この期間を超えて在留資格「留学」で生徒を受け入れる場合は、令和10年度末までに文部科学大臣の認定を受けて体制を整える必要がある |
| 文部科学省(同 Q2-9-2) | 令和11年4月開設課程から引き続き留学生を受け入れる場合は、令和10年度1回目までに認定申請を行い、認定を受ける必要がある |
認定を受けるまでの間、告示校は引き続き告示基準の義務を履行する必要があり、各種変更手続きや報告も地方出入国在留管理局・支局で受け付けています(よくある質問集 Q2-9-3・Q2-9-4)。
教員の経過措置も2029年3月31日まで
日本語教育機関認定法の附則第2条は、令和11年3月31日までの間、認定日本語教育機関の教員について、登録日本語教員に加え「これに準ずるものとして文部科学省令で定める資格若しくは実務経験を有する者」も認めると定めています。文部科学省は、この経過措置で教員になっている人も、令和11年4月1日以降も認定日本語教育機関で勤務する場合は、それまでに登録日本語教員の資格を取得する必要があるとしています(よくある質問集 Q2-5-5)。
なお、日本語教育機関認定法の附則には、告示校の受け入れ期限そのものを定めた条文はありません。告示校の期限は、上記の出入国在留管理庁・文部科学省の説明に基づいて整理しています。
2. 「認定」と「告示」の違い
| 区分 | 根拠 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 告示校(法務省告示機関) | 上陸基準省令(留学の項)に基づく法務大臣の告示 | 在留資格「留学」の生徒を受け入れられる日本語教育機関。令和11年3月31日までに認定を受ける必要がある |
| 認定日本語教育機関 | 日本語教育機関認定法(2024年4月1日施行)第2条 | 文部科学大臣の認定を受けた機関。留学のための課程で認定されると、留学生を受け入れられる |
注意したい点は次のとおりです。
- 認定されると告示から抹消されます: 告示校が認定を受けると、出入国在留管理庁の手続が完了し次第、法務省の告示から抹消され、告示校としての留学生の受け入れはできなくなります(よくある質問集 Q2-2-17・Q2-9-4、出入国在留管理庁)。一部の課程だけ認定を受けた場合も、抹消は機関単位です(Q2-9-12)。
- 設置者の変更や定員の増加は、先に告示校として済ませます: 認定制度では設置者の変更は認められず、認定と同時の定員増もできません。認定後も完成年度までは原則として定員を変更できません。このため、設置者・定員の変更は、先に告示校としての手続を終えてから認定申請するよう案内されています(Q2-9-8、出入国在留管理庁)。
- 申請中も告示校としての運営は続けられます: 認定されるまでの間、現在の告示校の教育課程や教員体制を維持して運営を続ける場合は、告示校としての変更届出は不要とされています(Q2-9-8)。
3. 申請スケジュールの残り機会
審査の流れ(文部科学省の目安)
認定申請の前には、事前相談を受ける必要があります。申請書類は原則としてすべてそろえ、事前相談日の14日前までに電子システムで提出します。
| 各年度1回目 | 各年度2回目 | |
|---|---|---|
| 事前相談予約受付 | 3月上旬頃 | 8月上旬頃 |
| 事前相談 | 4月〜5月頃 | 9月〜10月頃 |
| 申請締切 | 5月下旬頃 | 10月下旬頃 |
| 実地確認(必要に応じて) | 6月〜7月頃 | 11月〜12月頃 |
| 一次審査 | 7月〜8月頃 | 12月〜2月頃 |
| 二次審査 | 9月頃 | 3月頃 |
| 認定 | 10月頃 | 4月頃 |
出典: 文部科学省「認定日本語教育機関の認定申請等のスケジュール」。文部科学省は、これは目安であり、直近の受付期間は別途掲載するものを確認するよう求めています。認定は年2回の予定とされています(よくある質問集 Q2-2-4)。
これまでの認定日
| 申請回 | 認定日 |
|---|---|
| 令和6年度1回目 | 2024年10月30日 |
| 令和6年度2回目 | 2025年3月31日 |
| 令和7年度1回目 | 2025年10月31日 |
| 令和7年度2回目 | 2026年4月30日 |
令和8年度1回目(2026年5月申請、230機関)は、2026年9月25日時点で結果が公表されていません。
公表されている申請日程(2026年9月25日時点)
| 申請回 | 事前相談受付 | 事前相談 | 申請 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度2回目 | 2026年8月17日〜8月21日17時(受付終了) | 2026年9月28日〜11月13日 | 2026年11月16日〜11月20日 |
| 令和9年度1回目 | 2027年2月下旬 | 2027年3月下旬〜5月下旬 | 2027年5月下旬 |
| 令和9年度2回目以降 | 未公表 | 未公表 | 未公表 |
2029年4月に間に合う申請回
文部科学省が明示している事実と、そこからの推定を分けて示します。
文部科学省が明示していること
- 令和11年4月開設課程から引き続き留学生を受け入れる場合は、令和10年度1回目までに申請し、認定を受ける必要がある(Q2-9-2)
- 令和10年度2回目で認定を受けた場合、令和11年4月から留学生を受け入れることは困難。ただし、令和11年10月開設時の合計収容定員数は既存の定員数を引き継ぐことが可能(Q2-9-2)
- 認定は年2回の予定(Q2-2-4)
- 「不可」となった場合、直後の回には申請できず、次々回以降の準備になる(Q2-2-5)
- 「継続審査」となった場合、希望すれば次回の審査を受けられる。2回目の審査で再び「継続審査」となることはない(Q2-2-6)
上記からの推定(当サイトの整理)
| 申請回 | 日程 | 2029年4月の受け入れに間に合うか |
|---|---|---|
| 令和8年度2回目 | 公表済み(事前相談の受付は終了) | 事前相談を申し込んだ機関のみ対象 |
| 令和9年度1回目 | 公表済み | 間に合う回(推定) |
| 令和9年度2回目 | 未公表 | 年2回の審査が続けば、間に合う回(推定) |
| 令和10年度1回目 | 未公表 | 文部科学省が示す最後の回 |
| 令和10年度2回目 | 未公表 | 2029年4月の受け入れは困難(2029年10月開設時の定員引き継ぎは可能) |
この整理から、令和8年度2回目の事前相談を申し込んでいない告示校にとって、2029年4月に間に合う申請回は令和9年度1回目から令和10年度1回目までの3回と推定されます。ただし、令和9年度2回目と令和10年度1回目の日程は公表されていません。
また、「不可」になると直後の回に申請できないため、たとえば令和9年度2回目で「不可」となった場合、令和10年度1回目には申請できない見込みです(Q2-2-5からの推定)。早い回で申請するほど、やり直しの余地が残ります。
4. 不認定の主な傾向(公表情報の範囲で)
これまでの審査結果
| 申請回 | 申請(うち告示校) | 認定(うち告示校) | 不認定 | 取下げ |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度1回目 | 72(20) | 22(7) | 3 | 36 |
| 令和6年度2回目 | 48(16) | 19(5) | 0 | 29 |
| 令和7年度1回目 | 74(34) | 23(7) | 0 | 51 |
| 令和7年度2回目 | 100(58) | 32(22) | 2 | 53 |
単位は機関数です。
令和7年度2回目は、このほか13機関が「継続審査」でした。令和8年度1回目は230機関(うち告示校161機関)が申請しています(継続審査の13機関を含む)。
出典: 文部科学省「認定日本語教育機関の認定結果」「過去の認定結果概要」「認定日本語教育機関の申請機関数」。
いずれの回も、認定とされた機関よりも審査中に取下げを行った機関のほうが多くなっています。取下げの場合は判定が行われず、結果の公表対象にもなりません(Q2-2-7)。
教育課程で指摘されやすい点
文部科学省は「これまでの申請における教育課程に関する主な不認定相当事例」(令和8年3月)を公表しています。この資料は「教育課程」に限って、実際の申請に対する主な指摘を一般化したものです。主な例は次のとおりです。
- 到達目標(Can do): 機関の理念や学習者の背景を踏まえた具体的な言語能力記述文になっていない、抽象的な表現が多い
- 到達レベル: 大学等への進学を目的とする課程なのに、日本語能力の到達目標がB1になっている(進学を目的とする課程はB2相当以上かを確認するとされています)
- 学習時間: 進路指導やホームルームなど日本語教育に関連しないものを授業時数に含め、年760単位時間を下回っている/学習時間の根拠が不明確
- 学習内容: 日本語試験対策が中心で、「日本語教育の参照枠」や指針を踏まえた体系的な課程になっていない/自律学習や協働学習を促す工夫がない/非漢字圏の生徒が中心なのに漢字学習への配慮がない
- 教材: 教材と学習内容・レベルの間に齟齬がある/独自教材に著作権侵害の可能性が高い
文部科学省は、審査はこの資料の内容以外も含めて網羅的に行われると注意しています。教員体制、施設・設備、財務(直近の決算で設置者全体として債務超過でないこと等。よくある質問集 Q2-3-5)などの基準も、「項目別規定集」で確認してください。「この条件を満たせば認定される」と断定することはできません。
5. 経営者が今できる準備
告示校の経営者・管理職が現時点で取り組める準備の方向性を整理します。
ステップ1:どの申請回を目指すかを決める
- 令和9年度1回目を目指す場合、事前相談の受付は2027年2月下旬です。書類は事前相談日の14日前までにそろえる必要があります
- 設置者変更や定員変更が必要な場合は、先に告示校としての手続を終えておく必要があります
ステップ2:現状の自己診断
- 現在の教員構成(登録日本語教員・経過措置の対象となる現職教員)
- 教育課程が「不認定相当事例」に当たっていないか(到達目標・学習時間・学習内容・教材)
- 申請書類のたたき台の有無
ステップ3:教員確保・教育課程の整備 教員は、認定申請の時点で原則として登録日本語教員(または経過措置期間の教員要件を満たす人)である必要があります(よくある質問集 Q2-5-4)。経過措置で勤務している教員も、2029年4月1日以降に認定日本語教育機関で勤務するには登録日本語教員の資格が必要です(Q2-5-5)。経過措置(C・D-1・D-2・E-1・E-2・Fルート)で資格取得を目指す教員が、それぞれの経過措置期間(Cは2033年3月31日、その他は2029年3月31日。現職者のルートは令和10年度の日本語教員試験が最後)内に登録を完了できるかも確認が必要です。ルートごとの詳細は「登録日本語教員の経過措置ルートと期限」で整理しています。
ステップ4:専門家・支援サービスとの相談 官公署に提出する申請書類の作成は行政書士(法人)の業務です。教育課程の設計・教員配置計画の整備・研修は、支援サービスを使う方法もあります。当社の支援プランは、汎用の雛形・研修・進め方の相談までで、申請書類の作成は行いません。
6. 今すぐできること——リスク診断から始める
告示校として「自校の認定申請リスクがどこにあるか」を整理する出発点として、当サイトの無料リスク診断(/employers/diagnosis)をご活用ください。
教員配置・教育課程・施設設備・財務の4つの領域で現状を整理し、優先的に着手すべき課題を把握するツールです。その後、必要に応じて専門家や支援サービスへの相談につなげることができます。
出典(文部科学省・出入国在留管理庁ほか・確認日: 2026-09-25)
- 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(e-Gov法令検索) 第2条・第7条・附則第1条・附則第2条
- 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(e-Gov法令検索) 留学の項
- 出入国在留管理庁「日本語教育機関に係る各種変更の取扱いについて」
- 出入国在留管理庁「日本語教育機関の告示基準に基づく各種報告について」
- 文部科学省「日本語教育機関認定法 よくある質問集」(掲載ページ)
- 文部科学省「日本語教育機関認定法 よくある質問集」PDF(令和8年6月18日公開版) Q2-2-4〜Q2-2-7、Q2-2-17、Q2-3-5、Q2-5-4、Q2-5-5、Q2-9-2〜Q2-9-12
- 文部科学省「認定申請等の手続きに関すること」(申請等の受付期間)
- 文部科学省「認定日本語教育機関の認定申請等のスケジュール」
- 文部科学省「認定日本語教育機関の認定結果」
- 文部科学省「過去の認定結果概要」PDF
- 文部科学省「認定日本語教育機関の申請機関数」
- 文部科学省「これまでの申請における教育課程に関する主な不認定相当事例」PDF(令和8年3月)
- 文部科学省「項目別規定集(認定日本語教育機関の認定審査に係る項目と関係法令・規程の整理)」PDF
免責事項: 本記事は2026年9月25日時点で公表されている文部科学省・出入国在留管理庁の資料と法令をもとにした整理であり、認定取得の可否を保証するものではありません。最終的な認定の可否は文部科学省の審査によります。
