結論:最後の機会に向けた要点
- 「経過措置の申請」は日本語教員試験への出願で行います: 経過措置だけを受け付ける別の申請窓口はありません。毎年の日本語教員試験に出願し、そのときにルートごとの書類を出して免除の確認を受けます。試験が全部免除されるE-1・E-2でも出願は必要です。
- 現職者ルートの最後の試験: D-1・D-2・E-1・E-2・Fは、令和10年度(2028年度)の日本語教員試験が、現職者の経過措置の適用を受けられる最後の試験とされています。
- 期限はルートで違います: 経過措置期間は、Cルートが2033年3月31日まで、D-1・D-2・E-1・E-2・Fが2029年3月31日までです。
- 残っている試験: 令和8年度の出願期間(2026年7月13日〜8月21日)は終わっています。日本語教員試験は法律で毎年1回以上行うと定められているため、現職者ルートで使える試験は、令和9年度と令和10年度の少なくとも2回です。両年度の日程は2026年9月25日時点で公表されていません。
- 出願前に済ませること: D-1・D-2・E-1・E-2は、経験者講習を出願の時点で修了している必要があります。講習は受講開始から修了証の交付まで最短で1か月程度かかる見込みです。現職者ルートでは、指定様式の在職証明書も出願時に必要です。
| ルート | 経過措置期間 | 最後の試験 |
|---|---|---|
| C | 2033年3月31日まで | 確認した資料には明記なし |
| D-1 | 2029年3月31日まで | 令和10年度(2028年度) |
| D-2 | 2029年3月31日まで | 令和10年度(2028年度) |
| E-1 | 2029年3月31日まで | 令和10年度(2028年度) |
| E-2 | 2029年3月31日まで | 令和10年度(2028年度) |
| F | 2029年3月31日まで | 令和10年度(2028年度) |
出典: 文部科学省「登録日本語教員の資格取得ルートに関する要件(経過措置期間)」PDF p.1・p.3、「登録日本語教員の登録申請の手引き」p.4〜9、「日本語教員試験に関すること」、日本語教育機関認定法 第22条第2項(いずれも確認日: 2026-09-25)。
免責事項: 本記事は2026年9月25日時点で文部科学省が公表している資料をもとにした整理です。令和9年度以降の試験日程は公表されていないため、出願期間は文部科学省の発表で確認してください。
1. 経過措置は「日本語教員試験への出願」で使う
経過措置を使って登録日本語教員になる流れは、次のとおりです。
- 自分のルート(C・D-1・D-2・E-1・E-2・F)を確認する
- D-1・D-2・E-1・E-2の場合は、経験者講習を修了しておく
- 日本語教員試験に出願し、ルートごとの書類を出して免除の確認を受ける
- 免除されない試験を受験し、合格証書を取得する
- 「日本語教育機関認定法ポータル」から登録申請をする(登録申請は随時受け付け。登録手数料は4,400円)
文部科学省は、試験の免除対象者であっても、試験に出願して免除資格の確認を受け、合格証書を入手しなければ登録日本語教員になれないとしています。E-1・E-2のように基礎試験・応用試験が両方免除される場合も、免除資格の確認手数料(令和8年度は5,900円)を払って出願します。
各ルートの要件は経過措置ルートの解説記事にまとめています。
出典: 手引き p.4〜11、文部科学省「日本語教員試験に関すること」、同「登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習に関すること」(確認日: 2026-09-25)。
2. ルート別の期限
現職者のルート(D-1・D-2・E-1・E-2・F)
- 経過措置期間は令和6年4月1日から令和11年(2029年)3月31日までです。
- 文部科学省の手引きと経験者講習のよくある質問では、令和10年度の日本語教員試験が、現職者の経過措置の適用を受けられる最後の試験とされています。
- 現職者の条件(2019年4月1日以降、法務省告示機関・国内の大学・認定日本語教育機関などで1年以上日本語教育課程を担当)は、出願時点で満たしている必要があります。
Cルート
- Cルートは現職経験を要件としていません。対象は、必須の50項目に対応した養成課程等(文部科学省の確認済み)の修了者で、学士以上の学位がある人です。
- 経過措置期間は令和15年(2033年)3月31日までです。大学等の準備が遅れた場合でも、それ以前から在籍していた学生等が経過措置を受けられるよう、原則の5年に大学の修業年限4年を加えた期間とされています。
- Cルートで出願できる最後の試験年度は、今回確認した資料には書かれていません。
出典: 経過措置期間PDF p.1・p.3(※2)、手引き p.5〜8、経験者講習「よくある質問」(令和8年度版)、文部科学省「日本語教員試験に関すること」(確認日: 2026-09-25)。
3. 残りの出願機会の数え方
- 令和8年度の日本語教員試験は、出願期間が2026年7月13日〜8月21日、試験日が11月8日です。出願期間はすでに終わっています。
- 日本語教員試験は、日本語教育機関認定法第22条第2項で「毎年一回以上」行うと定められています。
- 現職者ルートは令和10年度の試験が最後です。
このため、2026年9月25日時点で現職者ルートに残っている出願機会は、**令和9年度と令和10年度の試験(少なくとも2回)**です。令和9年度・令和10年度の出願期間や試験日は、まだ公表されていません。令和8年度は出願期間が7〜8月でしたが、次年度以降も同じ時期とは限らないため、文部科学省の発表を確認してください。
出典: 文部科学省「日本語教員試験に関すること」、手引き p.8〜9、日本語教育機関認定法(e-Gov法令検索)(確認日: 2026-09-25)。
4. 出願時に必要な書類(ルート別)
手引きでは、日本語教員試験の出願時に次の書類(写し)を提出するとしています。
| ルート | 出願時の書類 |
|---|---|
| C | 必須の50項目に対応した養成課程等の修了の証明書、学位の証明書 |
| D-1 | 平成12年報告に対応した養成課程等の修了の証明書、学位の証明書、講習Ⅱの修了証、在職証明書 |
| D-2 | 法務省告示基準の教員要件に当たる養成課程等の修了の証明書、学位の証明書、講習Ⅰ・Ⅱの修了証、在職証明書 |
| E-1 | 日本語教育能力検定試験の合格証書等(昭和62年度〜平成14年度)、講習Ⅰ・Ⅱの修了証、在職証明書 |
| E-2 | 日本語教育能力検定試験の合格証書等(平成15年度〜令和5年度)、講習Ⅱの修了証、在職証明書 |
| F | 在職証明書 |
- 在職証明書は、勤務した機関の設置者が発行する指定様式(手引き参考資料4)です。文部科学省のよくある質問集では、機関ごとの任意様式は認められないこと、PDFなど電子的な発行でもよいこと、押印は不要なこと、経過措置期間中は有効なことが示されています。
- 学位は学士・修士・博士が対象です(C・D-1・D-2)。短期大学士・準学士・専門士・高度専門士は対象外です。中国で学位を取得した人は、別途CHSIの証明書の提出が必要です。
- Cルートで出願時にまだ課程を修了していない場合は、試験が実施された翌年の4月までに修了の証明書を出すこととされています。それまでは試験の結果が基準を満たしていても仮合格の扱いで、期限までに出さなければ合格は取り消されます。
- F・試験ルートで、過去の日本語教員試験の基礎試験合格証明書を持っている人は、出願時に提出すると基礎試験が免除されます。
出典: 手引き p.12〜22・参考資料4(p.29)、文部科学省「日本語教育機関認定法 よくある質問集」(令和8年6月18日公開版)Q4-3-25〜Q4-3-30(p.80〜81)、「日本語教員試験に関すること」(確認日: 2026-09-25)。
5. 今から済ませておくこと
どの年度の試験に出願する場合も、次の準備は出願期間より前に終えておく必要があります。
経験者講習(D-1・D-2・E-1・E-2)
- 講習は出願の時点で修了していなければなりません。修了証は出願書類と一緒に提出します。
- 受講開始から修了証の交付まで、最短で1か月程度かかる見込みとされています。
- 受講料は、講習Ⅱのみ(D-1・E-2)が17,600円、講習Ⅰ・Ⅱ(D-2・E-1)が26,400円です。受講料は収入印紙で納め、返還されません。
- 修了証は、経過措置期間中であればどの年度の試験の出願にも使えます。
在職証明書(現職者ルート全般)
- 勤務した機関の設置者に、指定様式での発行を依頼します。指定様式は1つの機関について証明する形式のため、複数の機関の経験を合わせる場合は機関ごとに用意するのが確実です(扱いに迷う場合は文部科学省に確認してください)。
D-2に当たるかの確認
- 修了した養成課程等がC・D-1の確認結果一覧に載っていない場合、D-2に当たるかは文部科学省が確認する必要があるとされています。修了証等を添えて nihongo@mext.go.jp に問い合わせるよう案内されています。
自分のルートの確認
- 手引きの参考資料1「経過措置ルート判定ガイド」で確認できます。複数のルートに当てはまる場合は、どのルートを使うか自分で選びます。
出典: 経過措置期間PDF p.1(※4・※9)、手引き p.8・p.12〜13・参考資料1、文部科学省「登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習に関すること」、経験者講習「よくある質問」(令和8年度版)(確認日: 2026-09-25)。
6. 経過措置に間に合わなかった場合
経過措置が使えなくなった後も、登録日本語教員になる通常の方法として次の2つがあります。
- 試験ルート: 日本語教員試験(基礎試験・応用試験)に合格し、登録実践研修機関で実践研修を修了する
- 養成機関ルート: 登録日本語教員養成機関で養成課程を修了し(基礎試験は免除)、応用試験に合格して、登録実践研修機関で実践研修を修了する
また、よくある質問集では、Fルートを希望していて出願時点で現職経験が1年に満たない人は、試験ルートで出願して基礎試験・応用試験に合格し、現職者の要件を満たした段階でFルートの扱い(実践研修の免除)を受けられるとしています。
出典: 文部科学省「日本語教員試験に関すること」、経過措置期間PDF p.2、よくある質問集 Q4-3-21(p.79)(確認日: 2026-09-25)。
7. チェックリスト
- 自分のルート(C・D-1・D-2・E-1・E-2・F)を判定ガイドで確認した
- 現職者ルートの場合、出願時点で1年以上の経験があるか確認した
- 在職証明書(指定様式)の発行を勤務先に依頼した
- D-1・D-2・E-1・E-2の場合、経験者講習を申し込み、修了証を受け取った
- 養成課程の修了証明書・学位の証明書・検定の合格証書等の写しを手元に用意した
- D-2に当たるか不明な場合、文部科学省に問い合わせた
- 令和9年度・令和10年度の出願期間を文部科学省の発表で確認した
よくある質問
Q. 経過措置の申請は、試験とは別に受け付けていますか?
A. 経過措置の適用は、日本語教員試験に出願するときに、ルートごとの書類を出して受けます。試験が全部免除されるE-1・E-2でも出願が必要です。合格証書を取得した後、登録申請をします。
Q. 経過措置の申請機会はあと何回ありますか?
A. 現職者ルート(D-1・D-2・E-1・E-2・F)は令和10年度の試験が最後です。令和8年度の出願期間は終わっているため、残りは令和9年度と令和10年度の試験です。日本語教員試験は毎年1回以上行うと法律で定められているので、少なくとも2回あります。両年度の日程は未公表です。
Q. Cルートも2029年3月31日までですか?
A. いいえ。Cルートの経過措置期間は2033年3月31日までです。2029年3月31日までなのはD-1・D-2・E-1・E-2・Fです。
Q. 経験者講習は出願の直前でも間に合いますか?
A. 講習は出願の時点で修了している必要があり、受講開始から修了証の交付まで最短で1か月程度かかる見込みとされています。出願期間より前に、余裕を持って修了しておく必要があります。
出典(文部科学省ほか・確認日: 2026-09-25)
- 登録日本語教員の資格取得ルートに関する要件について(経過措置期間)
- 登録日本語教員の資格取得ルートに関する要件(経過措置期間)PDF(令和8年5月15日一部修正)
- 登録日本語教員の登録等に関すること(「登録日本語教員の登録申請の手引き」掲載ページ)
- 登録日本語教員の登録申請の手引き PDF(令和8年6月版)
- 日本語教員試験に関すること
- 登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習に関すること
- 経験者講習 よくある質問 PDF(令和8年度版)
- 日本語教育機関認定法 よくある質問集(掲載ページ)
- 日本語教育機関認定法 よくある質問集 PDF(令和8年6月18日公開版)
- 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(e-Gov法令検索)
免責事項: 本記事は2026年9月25日時点で公表されている文部科学省の資料と法令をもとにした整理であり、経過措置の適用や登録の可否を保証するものではありません。最終的な判断は文部科学省の審査によります。
